メチル基にハロゲンが一つ結合した化合物をモノハロメタンという。対流圏や成層圏のオゾンを破壊する効果をもち、海洋はモノハロメタン発生源の一つと考えられている。本研究では、海洋のモノハロメタン分布を調査した。北極海のチャクチ海陸棚上では、底層水中でモノハロメタン3成分の濃度が高くなった。北海道噴火湾では、有機物分解が進行する時期に中層にてブロモメタンとクロロメタンの濃度が極大を示した。植物プランクトンの培養実験により、対数増殖期にはモノハロメタンの生成は無かったが、定常期から老化・死滅期に生成が確認された。モノハロメタン生成には、植物プランクトンの老化や有機物分解が関与していることが考えられた。
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