気候変動のメカニズムを解明するためには、過去の気候変動を把握することが必要である。しかし、中低緯度の陸域においては、寒暖などの定性的な指標が多く解析を妨げる要因となっている。鍾乳石に含まれる流体包有物の水の酸素・水素同位体比が測定できれば、気温復元や水循環の推定が可能になると期待される。そこで、流体包有物の同位体比測定手法の開発と石筍への適用を目的として研究を行った。開発の結果、微量の流体包有物の水を抽出し、同位体比を測定することが可能になった。この手法を現代と最終氷期の石筍試料に適用し、本手法により気温復元が可能であることを示した。
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