研究概要 |
MEL生産菌Pseudozyma hubeiensis SY62株のゲノム解析を実施し、得られたデータをアセンブルした結果、160個のcontigを含む74個のscaffoldsにアセンブルできた。ゲノムサイズは約18Mb, G+C contentは56.5%であった。これらは近縁種のUstilago maydisやPseudozyma antarcticaのドラフトゲノム解析結果と比較して妥当なものであると判断できた。Ustilago-大腸菌シャトルベクターpUXV1を用いて、形質転換法を検討した結果、emt1, mac1, mac2, mmf1, mat1遺伝子に対応する配列が得られ、その相同性はそれぞれ77.1, 61.2, 50.7, 77.6, 54.5%であった。アセチルトランスフェラーゼをコードしているmat1の相同性が低く、生産されるMELの分子種の違いを反映しているものと思われた。さらに、エレクトロポーレーション法で遺伝子導入できることを確認できた。U. maydisのMEL代謝遺伝子との相同性により、MEL代謝関連遺伝子を探索した結果、エレクトロポーレーションによる形質転換法において、培養条件を最適化することにより、プロトプラスト化などの前処理を必要としない形質転換が可能であることを明らかにした。現在、GFPを導入したpUXV1を作成し、遺伝子が機能していることを確認している。遺伝子破壊法についても検討中である。
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