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2013 年度 実績報告書

Feナノ粒子MRI造影剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24681022
研究機関京都大学

研究代表者

山本 真平  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (20362395)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード高分子修飾
研究概要

本研究は、核磁気共鳴画像(MRI)法によるがん診断のキーマテリアルとなる造影剤の開発を行う事を目的とする。本研究では、①Feナノ粒子の磁気特性向上によるナノ粒子レベルの造影能改善技術、②がん部位へFeナノ粒子を効率よく到達させる体内動態制御技術、および③Feナノ粒子をがん細胞内に効率よく蓄積させる細胞内動態制御技術の開発を行う。H25年度は主に②がん部位へFeナノ粒子を効率よく到達させる体内動態制御技術に関する研究を行った。
まずはじめに、表面開始原子移動ラジカル重合(ATRP) を行うために必要となるATRP開始部位でナノ粒子を修飾することを試みた。アミノプロピルトリメトキシシランと2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸クロライドの反応により得られる化合物にてナノ粒子表面は修飾可能であったものの、修飾後のナノ粒子の各種溶媒への分散性は大きく低下した。本化合物の鎖長が短いため、充分な分散性を得ることが難しかったためと考えられる。種々の構造を有する化合物を検討した結果、細胞膜透過性に優れる化合物であるポリエチレンイミンをナノ粒子表面に固定化、その後2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸クロライドあるは2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸を反応・ATRP開始部を導入することにより、優れた分散安定性とATRP開始能を併せ持つナノ粒子を得ることに成功した。続いて、ステルス性に優れるポリエチレングリコール誘導体(PEGMA)の表面開始ATRPを行い、種々の分子量のp(PEGMA)鎖で修飾されたナノ粒子を合成する事に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初想定していた固定化開始剤修飾ナノ粒子の溶媒への分散性が思わしくなく、その他の表面修飾分子を検討していたため

今後の研究の推進方策

p(PEGMA)にて修飾されたナノ粒子を合成する技術は既に確立しており、今後は基礎特性の評価を行うとともに、pH = 5で開裂するヒドラゾン結合部位をATRP開始部位に導入させることを行う。エンドソーム内の低pH条件(4.5-6.5)でヒドラゾン結合を開裂・p(PEGMA)鎖を脱離させ、細胞膜透過性に優れるポリエチレンイミン部位が露出することにより、がん細胞内への侵入・蓄積が促進されるナノ粒子の実現をめざす。

次年度の研究費の使用計画

試料の作製が遅れ、予定していた実験をH25年度内に行うことができなかったため
表面開始ATRP 法により、ブラシ特性が明確なp(PEGMA)ブラシで4ナノ粒子を修飾する技術はすでに確立されている。細胞毒性を含む各種基礎特性評価、ステルス性評価により、ナノ粒子を安定分散させるのみならず、EPR効果による標的化に適したサイズ(100 nm以下)と最適なステルス性を実現するp(PEGMA)ブラシ修飾条件を見いだす。さらに引き続きpH = 5で開裂するヒドラゾン結合部位をATRP開始部位に導入させることを行う。エンドソーム内の低pH条件(4.5-6.5)でヒドラゾン結合を開裂・p(PEGMA)鎖を脱離させ、細胞膜透過性に優れるポリエチレンイミン部位が露出することにより、がん細胞内への侵入・蓄積が促進されるナノ粒子の実現をめざす。

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公開日: 2015-05-28  

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