研究概要 |
本研究は,代表者が所属する研究室でこれまでに培ってきたシリコン基板上にIII-V族化合物半導体を直接成長する技術を基幹として,低コスト,超小型,高密度集積可能な2μmから3μm帯の赤外レーザをシリコン基板上に試作・開発する.この波長域の光源は安心,安全な環境に配慮したごみ焼却システムの構築などの環境モニタシステムにおいて強く要求されている.そこで,有機金属気相成長法を用いて安価に大量生産できるシリコン上に21μm帯InGaAsInAp半導体レーザを実現する.さらに,マルチ波長環境モニタシステムの構築,シリコンフォトニクスへのIII-V族ハイブリッド光源の集積展開などが期待できる.当該年度はウェハボンディングを用いて(111)Si基板と(100)Si基板をはり合わせたSOI基板を外注し作製した.研究代表者を含む研究チームで独自に所有する電子線描画装置とドライエッチング装置を用いて円形を形成する.有機金属成長装置を用いてSi基板上にInGaAs/InAs成長をおこなうことを試みた.このICP-RIEを用いたドライプロセスを用いることで,微細なパターンの作製を可能にした.さらに,フォトルミネッセンス測定法を用いて,Si基板上に成長させたInGaAsの光学特性を評価した.その結果,1.6um付近での明瞭な発光が確認出来た.今後,光素子への展開を目指して,プロセスの開発をおこなう予定である.
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