本研究課題を実行するのにあたり,ナノ周期構造を作製する際には必ずプラズマエッチングによるダメージが光デバイスには確実に問題になる.この問題を克服しない限り,ナノ構造を持つ光デバイスの作製は困難である.そこで,化合物半導体のドライエッチングプロセスとして,中性粒子ビームを用いて実験を行った.InGaAsは低温でのエッチングを試みたが,Inを含むエッチング生成物がエッチング表面に再吸着する可能性があり、低温でのエッチングでは異方性エッチングができなかった.そこで,エッチングチャンバの基板温度を100℃にすることで,InGaAsのエッチングに成功した.これは,通常のプラズマエッチングで使われている200℃よりもはるかに低温でのエッチングができたことになる.さらに,下部バイアスをかけることで高い異方性を持つエッチングが実現することができた.今後、この手法をもとにIII-V族光デバイスを試作していく.
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