本研究課題では、有機-無機ハイブリッドベシクルの有する分子ふるい機能を利用することで、極めて高効率に膜タンパク質を無細胞で発現できるシステムを構築することを目的とした。表面に分子間架橋されたセラミック様骨格をもつ有機-無機ハイブリッドベシクルは低分子の透過を許容し、高分子は透過しない分子ふるい機能を有する。有機-無機ハイブリッドベシクルの構造や分子ふるい機能は、各種両親媒性分子との混合によりチューニングできる。有機-無機ハイブリッドベシクルの内部に酵素反応系をカプセル化することで、ベシクルの有する分子ふるい機能を活用した膜タンパク質の発現システムを構築可能であることが示された。
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