研究課題
カーボンナノチューブのみで構成されたオールカーボン集積回路やフレキシブルバイオセンサの創製を進めている。今年度は人体に直接接着可能な高い伸縮性をもつデバイスを実現した。また、バイオセンサについては、清浄表面をもつカーボンナノチューブ櫛形電極を作成する技術を確立し、Redox cycleにより高感度かつ選択的にドーパミンを検出する手法を開発した。伸縮可能なエレクトロニクスは、電子皮膚や健康・医療デバイスなどのウエアラブルデバイスへの応用が期待される。オールカーボンデバイスを伸縮性を持つ基板上に実現した。トップゲート型CNT TFTのチャネル部には、高純度半導体型CNTを、電極や配線はFCCVDにより成長したCNTを用いた。作製したデバイスを20%伸張したときのTFTのオン電流の変化は8%程度であった。これは従来の報告に比べて小さいものであった。最大で40%まで伸張してもTFTは動作した。作製したデバイスは透明であり人体への貼り付けも可能であった。作製した全カーボンナノチューブデバイスはその存在を感じさせないウエアラブルデバイスの創出に繋がる。カーボンナノチューブ薄膜はバイオセンサとしても、広い電位窓や少ない残余電流、速い電子交換速度、優れた汚染耐性などの優れた電極性能を持つ。電気伝導性と表面清浄性の高いCNT薄膜を用いて櫛型電極を作製し、電気化学的特性の評価、および選択的ドーパミン検出の実証を行った。サイクリックボルタンメトリにおいてgenerator電流、collector電流ともに典型的な定常電流応答波形を示し、redox cycleの収集効率は92.4 %であった。単一の平面電極の場合に比べ、信号電流は14倍であった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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