近年問題視される農薬疑義資材中に含まれるシペルメトリンの起源推定を試みた。シペルメトリン中の炭素安定同位体比(δ13C)(‰)を測定したところ,4種の農薬疑義資材はほぼ同じ値となり,これらは同一の起源であることが疑われた。近年の無農薬食品の推進から,農薬嫌疑資材は今後,さらに大きな問題になる可能性もある。 さらに,最近開発されたLC/IRMSを用いて,5種の農薬類,6種の糖,10種のアミノ酸,2種のカフェインのδ13Cを分析した。窒素が含有していない成分においては,高精度・高確度に分析が可能であることがわかった。しかし,窒素を含有している場合,何らかの理由で高精度分析は難しいことがわかった。
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