個体を形成する細胞の多様性は、その遺伝子発現を規定する閣内のエピゲノムに依拠している。細胞内の転写因子の結合部位の同定には、技術的な限界によって多数の細胞を必要とし、そのような研究は培養細胞や血球系の細胞等にほぼ限られていた。私は少数の細胞から転写因子の結合部位を同定する手法を確立し、従来の1/100から1/1000のスケールで転写因子のChIP-seqを行うことを可能にした。この手法を始原生殖細胞の試験管内モデル系に応用し転写活性化・抑制にかかわる代表的なヒストン修飾とともに、必須転写因子BLIMP1とT(Brachyury)の結合部位を同定して、この過程のエピゲノム動態を解明した。
|