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2012 年度 実績報告書

特殊環状ペプチドライブラリとヒト培養細胞株を用いた細胞表面分子標的医薬の探索

研究課題

研究課題/領域番号 24681047
研究種目

若手研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

加藤 敬行  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90567760)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード医薬品探索 / 分子標的医薬 / 特殊ペプチド / 膜タンパク質 / GPCR / RaPID display
研究概要

本研究では、RaPIDdisplay法を用いて膜タンパク質などの細胞表面分子を標的とする特殊環状ペプチド医薬の探索を行っている。通常のRaPIDdisplay法では、標的タンパク質をビーズ担体上に固定化した上でペプチドライブラリに対して提示させるが、膜タンパク質の場合は組換えタンパク質の発現・可溶化が困難であるため、本研究では標的タンパク質を発現した培養細胞株やバキュロウィルスを代わりに用いることで、特殊環状ペプチドの探索を行っている。平成24年度においては、Claudin-1および4、Fasレセプター、アセチルコリンレセプター、インテグリンの5種類の膜タンパク質を標的とする特殊環状ペプチドのセレクションを並行して行った。
Claudin-1については既にセレクションまで完了しており、取得できた候補配列14種類について標的への結合力の評価を行ったところ、うち4配列についてClaudin-1発現細胞に対する選択的な結合を示唆する結果が得られている。Claudin-4についても、これまでに6配列のペプチドがClaudin-4発現バキュロウィルスに選択的に結合することが確認出来ている。Fasレセプターを標的とするペプチドについては、Fasレセプター発現バキュロウィルスの構築まで完了しており、今後RaPID displayによるセレクションを進める予定である。アセチルコリンレセプター結合ペプチドのセレクションに関しては、カルシウムフラックスアッセイを指標としてアゴニストを取得するセレクションの系の構築を現在開発中である。また、インテグリンを標的とするペプチドのセレクションに関しては、共同研究先から単離精製したタンパク質を供与いただくことができたため、これを用いて特殊環状ペプチドのセレクションを実施し、得られたペプチドがインテグリン特異的に結合することが確認できている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では、平成24年度においては細胞あるいはバキュロウィルスを用いたセレクション系そのものの確立を目指していたが、予想以上に順調に進んでおり、既に標的タンパク質に結合するペプチドをいくつか得られており、標的の数も5つまで拡大し並行して実験を進めることができているため。

今後の研究の推進方策

現在進めている5つの膜タンパク質を標的とした特殊環状ペプチドのセレクションおよび取得できたペプチドの効果の検証を引き続き進める。各ペプチドが標的に特異的に結合することが確認されれば、阻害能や血清中での安定性の評価などを順次行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

一部基金分において1,217,412円の平成25年度への持ち越しが生じた。これは当初の想定よりも物品費(試薬等の消耗品)を抑えることができたためである。平成25年度においては、5つの標的タンパク質に対するセレクションが順次終了し、得られたペプチドの評価の段階に入ることになるため、平成24年度よりも試薬等の物品費が多く必要となる見込みであり、持ち越し分を充当する予定となっている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Structural basis for the drug extrusion mechanism by a MATE multidrug transporter.2013

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y, Hipolito CJ, Maturana AD, Ito K, Kuroda T, Higuchi T, Katoh T, Kato HE, Hattori M, Kumazaki K, Tsukazaki T, Ishitani R, Suga H, Nureki O.
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 496 ページ: 247-51

    • DOI

      10.1038/nature12014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Selective thioether macrocyclization of peptides having the N-terminal 2-chloroacetyl group and competing two or three cysteine residues in translation.2012

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki K, Goto Y, Katoh T, Suga H.
    • 雑誌名

      Org Biomol Chem.

      巻: 10 ページ: 5783-5786

    • DOI

      10.1039/c2ob25306b

    • 査読あり
  • [図書] 生命システム工学2012

    • 著者名/発表者名
      加藤敬行、後藤佑樹、菅裕明, 他
    • 総ページ数
      213
    • 出版者
      化学同人

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公開日: 2014-07-16  

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