本研究では、膜タンパク質等の細胞表面分子を標的とする特殊環状ペプチド医薬の探索手法の確立を行った。通常、ランダムペプチドライブラリを用いたin vitro display法では磁気ビーズ上に固定化した標的分子をペプチドライブラリに提示させるが、標的が膜タンパク質の場合には精製・可溶化が困難なため磁気ビーズに固定できないケースが多い。そこで本研究では、膜タンパク質を発現した培養細胞株やバキュロウィルスを直接用いてdisplayを行う手法を確立した。その上で、本手法を用いてCD20、IL28RA、Claudin-1および4などの細胞表面分子に結合し、機能阻害する特殊環状ペプチドの取得に成功した。
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