研究実績の概要 |
10月にオーラルヒストリーの国際学会であるOral History Association(OHA), The 48th meeting in Madison Wisconsinに参加し、Collective memory of the Second Sino-Japanese War among Villagers in Shanxi, China: dreams, films and narrativesというテーマで報告を行った。英語で発表することにより、日本国内にとどまらずより多くの聞き手に研究成果を開くことができた。また、アメリカやカナダのオーラルヒストリー研究者と意見交換することにより、オーラルヒストリー研究の問題を多面的な視点から考え直すことができ、今後の研究に生かすべき問題意識を明確化した。 3月には大阪で行われた現代中国史研究会主催シンポジウム「歴史の記憶と歴史」にて、「歴史と記憶のせめぎ合いーーオーラルヒストリーから見る戦争記憶の多層性」というテーマでパネル報告を行った。これまでのフィールド調査による研究蓄積を、記憶と歴史の相互作用の側面から捉えなおしたことで、調査地域の具体的な出来事の実証を記憶や歴史といった概念の問題に発展させて論じることができた。パネル発表の内容は2015年度中に論文として発表する準備をしている。論文執筆においては発表内容を更に練り上げて集合的記憶について具体的事例から再考したいと考えている。
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