古代メソアメリカ文明のメキシコ中央高原では、都市の起源はテオティワカンにあったと考えられている。しかしながら、トラランカレカ考古学プロジェクトの研究成果から、この歴史認識に修正を加える必要があることが分かった。表面採集調査、ボーリング調査、発掘調査を介して、密集した建造物群、多様な社会成層、専門集団の存在、都市方位軸の統一など都市化を示す明白なデータを得ることができた。古代メソアメリカ文明を形成した社会は、より早い段階から複雑化しており、これら社会の文化的蓄積とその継承が、後のテオティワカンという強大な古代国家を誕生させる原動力になったと結論付けた。
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