本研究では、佐藤栄作政権期の沖縄返還に至る政治外交過程を、返還実現を可能とした安全保障上の条件に焦点をあてて明らかにした。本研究では、返還交渉の時期を①沖縄の早期返還を日米の検討の俎上に載せるための交渉、②沖縄の施政権返還合意のための交渉、③沖縄返還協定の作成交渉という三つの段階に分けて分析し、争点として日米安保条約の沖縄への適用の問題、特に安保条約における事前協議制度の問題に着目した。史資料として新しく公開された外務省文書、ジョンソン、ニクソン両大統領文書、国務省文書、陸軍省文書、「楠田實文書」「三木武夫文書」「若泉敬文書」等個人文書、日記、回想録、新聞、雑誌、インタビュー記録等を使用した。
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