本研究の目的は、店舗を利用する全顧客規模と店舗で扱う全商品規模での大規模な個別型マーケティングモデルの実現である。平成25年度までに、1.マーケティングモデル(階層ベイズ2項プロビットモデル)と次元圧縮モデル(トピックモデル)を統合した大規模マーケティングモデルの構築、2.変分ベイズ法による高速なパラメータ近似推定アルゴリズムの導出、3.ID付きPOSデータを用いた実証実験を行った。平成26年度では、次元圧縮された顧客セグメントから個人ごとのマーケティング刺激に対する反応を推定するためのデータ補完法の研究を主に進めてきた。その研究成果として、本質的にデータがスパースとなる大規模な顧客と商品種類に対して補完を行うことで、個人毎の特性を反応係数として推定する手法を提案した。これに類する研究成果をソフトウェアとして公開するための基盤の作成も試みた。これらの研究で得られた成果を取りまとめ、学会発表や査読付き論文誌への投稿を行っている。
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