研究課題
顧客関係管理における成功要因の国際・国内差を解明するために、昨年度までに設計した、消費者を対象にするアンケート調査および法人顧客を対象とするアンケート調査の両方を拡張した。消費者を対象とするアンケートの内容は、品質属性、価格、カスタマーサービス、顧客価値創造、ブランド特性、スイッチングコスト、顧客ロイヤルティ、そして顧客の性格と文化的性向である。一方、法人顧客を対象とするアンケートの内容は、顧客価値創造、新商品開発戦略、組織文化、営業利益である。消費者を対象とするアンケートについては、昨年度まではその内容を携帯電話及び洋服、腕時計といった三つの製品に適用し調査を行ったが、今年度は、調査の範囲を拡張した。携帯電話のアンケート調査をフランス及びボリビア、日本で継続し、洋服のアンケート調査を日本で継続し、そして腕時計のアンケート調査を日本及び米国で継続し、また新たにフランスで行った。さらに、サービスに関する情報を得るために、アンケートの内容をファストフード店に適用し、それについて日本及び米国、スリランカで調査を行った。法人顧客を対象とするアンケートについては、米国で調査を実施した。発表した論文では、知覚品質が顧客ロイヤルティに与える影響が、顧客満足のみならず製品連想にも媒介され、そしてそれが理性的かつ感情的なプロセスであり、理想と感情が共作用することを見出した。それぞれのプロセスは、消費者の経験の範囲及び、購入からの時間、製品の価格、ブランド経験、国家文化により異なる。別の論文では、製品の放射能汚染リスクへの消費者態度が、人口属性及び国家文化、個人的文化性向による変化するパターンを分析した。また、別の論文では、高品質の新商品開発を目指す企業内のプロセスが国家文化に依存するパターンを解説した。さらに、別の論文では、顧客価値創造の国際差を見極めた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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