研究課題/領域番号 |
24683016
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
南後 由和 明治大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10529712)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 建築 / 文化政策 / 文化産業 / メディア |
研究実績の概要 |
1.ヨーロッパの建築の文化政策・文化産業に関する研究の一環として、昨年度に引き続き、Fondation Constantの活動を中心に、RKD、ハーグ市立美術館、アムステルダム国立美術館などで収集したオリジナル作品の写真、往復書簡、図面、展覧会、雑誌記事などの資料、財団や美術館関係者へのインタビューの整理と分析を進めた。また、1950-70年代の建築界が持つ現代的意義についての考察を付け加えた。
2.展覧会のキュレーター、一般誌の編集者、ファッション・ブランド、地方自治体の観光課、テレビ・プロデューサー、広告業界など、建築の非専門家が、専門家とは異なる建築の流通価値をどのように見出し、建築の文化産業がどのような広がりを見せているのかを明らかにするため、日本建築学会の会誌『建築雑誌』で、「メディア・コンテンツ化する建築」という特集の準備作業を進めた。
3.1964年の東京オリンピックにおける国立競技場と代々木競技場を、新聞記事での表象のされ方という「メディアにおける建築」、歴史や集合的記憶が刻印された空間や都市のイメージを規定するランドマークという「メディアとしての建築」の観点からそれぞれ比較した論文「東京オリンピック2020に向けたスケッチ」を執筆した。同論文では、1964年と2020年の東京オリンピックの建築・都市に関する前提条件の違いについても、ロンドン・オリンピック2012の状況を踏まえながら考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
建築の文化政策・文化産業に関する研究を多業種・多分野にわたって展開することができたという点においては、研究は順調に進展した。一方で、ヨーロッパにおける建築の文化政策・産業に関する比較研究のため、ロンドン、アムステルダムで追加の資料収集および聞き取り調査をする予定であったが、昨年度に収集した資料の整理と分析に時間を要したために実施することができず、補助事業期間を延長した。そのため、総合的には「(3)やや遅れている。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度のなるべく早い時期に、ロンドンとオランダにおける建築の文化政策・文化産業に関するフィールドワーク、聞き取り調査の追加を実施し、資料分析の体系化に取り組む。建築の文化政策と文化産業に関する研究は、いずれ刊行物としてまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度にヨーロッパにおける建築の文化政策・産業に関する比較研究のため、ロンドン、アムステルダムで追加の資料収集および聞き取り調査をする予定であったが、平成25年度に収集した資料の整理および分析に時間を要して実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の半ばまでにロンドン、アムステルダムで追加の資料収集および聞き取り調査を実施し、次年度使用額は主にその経費に充てることにしたい。
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