本研究は,発達障害児の問題解決過程の支援についての知見を得るために,問題解決場面における指導者と対象児の相互作用時に生理心理学的手法を用いた脳機能計測を実施し,支援の客観的評価とその活用可能性を検討することを目的とした。個々の発達障害のあるないし疑われる子どもの問題解決過程を考慮した指導支援場面において子どもならびに指導者の双方から脳血流計測を行い,それぞれの問題解決に関わる脳内処理について検討し,支援の客観的評価とその活用可能性を検討しようとするものであった。 当該年度はこれらの検討の区切りとして,前年度までに継続して検討してきた理論的・実証的な背景に基づく実験的検討を,国際学会における複数の発表に反映させた。また,これらの計測における,指導者としての定型発達成人の脳血流計測に関する検討は,国際学会における発表,国内学会における発表それぞれに反映させた。さらに,それらの基礎的な検討から導き出される教育現場における指導支援への適用について,学術雑誌に投稿,掲載された。
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