研究実績の概要 |
国内外の研究集会に頻繁に出向き、整数論とトポロジーを中心としたさまざまな課題について研究交流を図った。多重ゼータ値、オペラッド、結合子、Grothendieck-Teichmuller群に関連する様々な分野の研究者を集めてスイスで「GRT, MZVs and associators」という国際会議を開催した。また国内では日仏間の二国間プロジェクトの一貫としてゼータ関数に関する研究集会を名古屋大学で開催した。年度末にはポリログと多重ゼータ値とマーラー測度に関する研究集会を東北大で開催した。台湾の清華大学のChieh-yu Chang准教授を8月に一週間程名古屋大学に招聘し正標数の関数体の多重ゼータ値に関して研究討議と行った。また英国のDurham大学のHerbert Gangl准教授を年度末から一か月程日本に招聘しポリログに関する最新の研究について情報交換を行った。 解析数論の邦人研究者3名とある種の複素多重ゼータ関数の極の解消法及び多重ゼータ関数のp進的性質に関して共同研究を行い共著論文を2本発表した。この研究に関しては8月のスイスでの国際研究集会と6月の名古屋での国際研究集会と3月での博多での国際研究集会で発表を行った。 数論的代数幾何学の邦人研究者2名とかねてより行っているEisenstein級数や楕円ポリログのp進類似についての共同研究の論文を完成させ、共著論文として出版した。 結び目理論を用いて得られる多重ゼータ値の関係式で知られているものはすべてpentgon関係式とshuffle関係式に帰するという結果を得て5月の関西多重ゼータ研究会で発表した。 結び目にはある種の数論的構造が入ることを指摘し論文を発表した。この研究に関しては12月の京都での研究集会で講演した。さらにこの研究および関連研究を九州大学の大学院生達と共同でまとめあげ九州大学マス・フォア・インダストリ研究所のレクチャーノートとして出版した。
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