研究課題/領域番号 |
24684014
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宗宮 健太郎 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (10582603)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | OPO / SHG / 信号増幅 / 振り子 / 軽量鏡 / 量子雑音 |
研究概要 |
H25年度始めに掲げた年度目標は、(1) 非線形結晶に固定鏡干渉計の出力を透過させ、信号増幅を確認することと、(2) 軽量鏡を懸架した干渉計にリサイクリング共振器を組み込み、光バネを構成すること、の2点であった。 (1)については、予定通り非線形結晶と温度コントローラを米国Raicol社から2組購入し、まず1つ目の結晶を用いて波長1064nmの光から532nmの光の生成に成功、さらにリング共振器に結晶を組み込んで共振器長を制御することで波長532nmの光の生成効率を向上した(SHG)。次に、生成した532nmの光をもう1つの結晶に注入し、それをマイケルソン干渉計の出力ポートに設置してアライメントをとることにより、信号増幅効果の検証を試みた(OPO)。マイケルソンから漏れ出る1064nmの光がOPOで生成する532nmの光とSHGから注入する532nmの光を干渉させることで、異なる結晶で生成された光のコヒーレンスの確認と、OPOのアライメントの調整を行なった。理論的には信号増幅の効果が見えてもおかしくなかったのだが、スペクトル分析しても増幅の効果は確認できなかった。結晶からの後方散乱や、フォトデテクタ表面の不均一性が増幅効果を見えにくくしているのではないかと考えている。また、SHGで生成できる光量が数mW程度と少し低いので、変換効率の向上も課題として見つかった。 (2)については、予定通り振り子の改良に時間を費やした。軽量化のために軽量鏡自体に磁石はつけない構成だったが、そのため振り子の共振周波数やQ値の見積もりが難航した。年度後半には磁石をとりつけ、共振周波数が測れるようになり、ワイヤーの張力を変えて10Hz程度に調整することができた。一方で光バネを見るためにシグナルリサイクリング共振器を組み上げたが、まだ光バネは観測できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非線形結晶を用いた信号増幅実験では、既製品の温度コントローラが結晶と比べて不必要に大きく、干渉計の設計に制限を与えていたことが、532nmの生成効率を悪化させていたのではないかと考えられる。 光バネ実験では、振り子の開発に時間をかけすぎていることが原因として考えられる。上下からワイヤーで張る形式なので、張り方次第で共振周波数が変動してしまうのが難点となっている。
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今後の研究の推進方策 |
非線形結晶を用いた信号増幅に関しては、温度コントローラを自作し、小型化して532nmの生成効率を上げることを予定している。もう一つの改良方法として、SHG共振器を構成する鏡を交換し、結晶内以外にもう一点ウェストが現れる構成に変更することで調整を簡単化するということも検討している。 光バネ実験では、振り子の実験をある程度のところで止めて干渉計実験を進めたいと考えている。それと同時に磁石を使った新しい振り子の製作を別課題で大学院生に担当させて開発を進めようかと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
値引きなどで端数が生じたため。 文房具などの消耗品に使用する。
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