研究課題
本研究は、日本発の国際宇宙ステーション上の実験である全天X線監視装置(MAXI)と高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALET)を主に用い、宇宙最大級の爆発現象であるガンマ線バースト(GRB)の、X線からガンマ線にわたる広帯域放射機構をX線に着目して調査するものである。本科研費で装置開発を進めてきたCALETのガンマ線バーストモニタ(CGBM)は昨年度から順調に稼働し、MAXIとCALETは同時にGRB観測を進めてきた。CGBMは2017年3月までに61個(平成28年度では46個)のGRB検出に成功し、うち4個がMAXIと同期がとれている。中にはCGBM(硬X線・ガンマ線)で検出される34秒前にMAXI(軟X線)で強い放射がみられるもの(GRB 160107A)や、主検出部のカロリメータ(CAL)の構成センサで反応し、GeVガンマ線検出の可能性があるもの(GRB 160625B)もあり、非常に興味深い。これらを含め、物理学会年会の宇宙線宇宙物理領域シンポジウムにおいてCGBMの初期成果について講演を行った。また、重力波イベントGW 151226についてCALETでX・ガンマ線での同時検出には至らなかったものの、フラックスの上限値を報告した(Adriani et al. 2016, ApJL)。この上限値から予測される光度は、典型的な”短い”ガンマ線バーストの光度よりは有意に小さいものであり、ブラックホール同士の合体と矛盾のない結果になっている。さらに運用を終えた「すざく」衛星に搭載された広帯域全天モニタ(WAM)によって観測されたGRBの結果をレビュー論文としてまとめ、受理されている(Yamaoka et al. 2017, PASJ)。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
2017年物理学会第72回年次大会の宇宙線宇宙物理領域シンポジウムのスライドは以下参照。http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/JPSCR
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 6件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (5件)
Publication of the Astronomical Society Japan
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http://isee.nagoya-u.ac.jp/~yamaoka