LHC/ATLAS Run1の全データを用いてH→ττ過程の探索を行い、4.5σの統計優位度でτ湯川結合の証拠を得た。これは世界初のフェルミオン湯川結合の存在を示すものであり、信号強度は標準模型と矛盾しなかった。さらに、H→ττ崩壊過程を使用してトップ湯川結合の測定も行い、ヒッグス機構の包括的な検証を行うことができた。また、高速飛跡再構成トリガー回路(FTK)の開発のためのテストベンチを校内に構築し、回路設計・試験・量産までを全て日本で完遂した(歩留まり100%)。全80台をCERNへ輸送、ATLAS検出器への導入も完了したことで今後の高輝度下でのデータ取得を磐石にすることができた。
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