本研究ではレアメタルフリー磁性材料L10型FeNi規則合金の実現に向けて、材料創製および、電子スピン状態の解析を行った。L10型FeNiはありふれた元素で、高い磁気機能を有することから、次世代自動車のモーターに有用な材料として期待されている。実験では、まずCu(001)にホットスパッタリング処理を行い、表面のステップテラス構造を制御した。次に単原子交互積層法を用いて、FeNi人工格子の作成を行った。そしてSPring-8のエネルギー分光型光電子顕微鏡を用いて、試料の磁区構造および表面モフォロジーの解析を行った。その結果、ステップ領域に垂直磁化成分を有する磁区構造を確認することができた。
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