本研究では、2013年7月に乱流・微細構造自律型プロファイリングフロートと、海洋の絶対水平流速場測定フロートを複数、黒潮続流に投入する現場観測を実施した。流況観測結果は、近慣性内部波に伴う帯状構造を示し、続流下150m以深の水温と塩分が著しい熱塩フィラメント構造を呈した。同時に観測した、乱流・微細構造から、この熱塩舌状構造内で、活発な二重拡散対流が発生している事が判り、黒潮の蛇行や近慣性内部波は、乱流だけでなく二重拡散対流を促進することを示唆する。非静水圧モデルによる数値実験結果は、黒潮の蛇行から、振幅の大きい近慣性内部波が、海面強制力無しで発生することを示した。
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