研究課題
代表的な海洋性島弧とされてきた伊豆小笠原弧に存在することが判明した中生代基盤岩類の地殻構造と起源を明らかにする為に、古フィリピン海プレート(大東海嶺群・伊豆小笠原海溝陸側斜面)の基盤岩類とフィリピン共和国・台湾東部に露出する基盤岩類との比較研究を実施した。本年度は最終年度にあたり、具体的に以下のような研究を行った:1.フィリピン共和国パラワン島・ミンダナオ島に露出する基盤岩類の地質調査・岩石試料採取を実施した。パラワン島は平成24年度に実施した地質調査で採取した試料の分析から得られた成果に基づいて、それを補完するために島北東部(Roxas地域・San Vicente地域)の中生代基盤岩類の地質調査を実施した。ミンダナオ島においてはフィリピン東部に露出するオフィオライト群の南北年代バリエーションを制約することを目的に、Pujada半島のオフィオライトについて地質調査・試料採取を行った。2.新たに採取した試料に加え、これまでの陸上・海洋調査で採取した古フィリピン海プレート基盤岩類、フィリピン共和国・台湾の基盤岩類について全岩化学組成分析と年代測定を実施し、基盤岩形成に関わったマグマの活動時期とマグマ起源物質の地球化学的特徴を明らかにした。3.得られた分析結果から、古フィリピン海プレートの一部はジュラ紀~白亜紀の大陸性基盤岩類から構成され、その起源はフィリピン共和国東部~南東部の中生代基盤岩類である可能性が極めて高いことが年代学・地球化学的特徴から初めて明らかとなった。4.これらの成果については、2014年12月にマニラで開催されたフィリピン地質学会(GEOCON2014)と、同じく12月に米サンフランシスコで開催されたAmerican Geophysical Union Fall Meetingで口頭発表を行った。現在、得られた成果を国際誌に投稿する最終準備を進めている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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