研究課題
今年度当初は隕石中の不溶性有機物(insoluble organic matter, IOM)の熱化学分解を行う予定であったが、反応熱分解装置の故障のため、隕石を溶媒抽出して得られる極性有機化合物のガスクロマトグラフ質量分析装置(GCMS)分析および、IOMの化学分解による分解生成物を分析することに方針を変更した。炭素質コンドライト隕石であるマーチソン隕石の粉末をメタノール溶媒で超音波抽出し、遠心分離後、抽出液を採取し、窒素噴霧下で50 μlに濃縮したものをGCMSで分析した。また、同一試料をマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI/ToF-MS)でも分析し、現在データを比較しながら成分の同定のための解析を進めている。また、残った粉末残渣をフッ化セシウムとフッ酸の混合溶液(CsF/HF、pH=5、1.7-1.8g/cc)および2N塩酸(HCl)で化学処理し、IOMを精製した。その後、過酸化水素H2O2(常温)、クロム酸ナトリウムNa2Cr2O7(85℃、20時間)による酸化分解を段階的に行った(残った残さはプレソーラー粒子の分析に使うため、最終的に過塩素酸HClO4で分解し(200℃、2時間)、シリコンカーバイドSiCを精製した)。次年度はマーチソン隕石中のIOMのアルカリ酸化銅分解を行い、分解生成物から光学異性体を同定し、その光学異性体比を見積もる予定である。
3: やや遅れている
本年度9月、反応熱分解GCMS分析に使用していた熱分解装置に不測の故障が生じたため、当装置の修理・調整が必要となり、当初予定していた測定の再開までに2ヶ月間を要した。そのため熱分解装置を用いる実験を延期し、代わりにGCMSだけで可能な分析・実験研究を行った。
マーチソン隕石から精製した不溶性有機物のアルカリ酸化銅分解を行い、分解生成物をGCMSで分析し光学異性体の存在を調べる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件)
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