本研究では,アミノ酸の光学異性体レベルの窒素・炭素・水素同位体比分析法の開発に挑戦し,以下の結果を得た。(1) 窒素・炭素同位体比に関しては,ピバロイル/イソブチルエステル誘導体化法と極性のGCカラムの組み合わせにより, 約0.5nmolの試料で±0.5‰の測定が可能になった。またいくつかの代表試料を使って,この分析法が,生物,堆積物,そして隕石試料に至るまで,様々な試料へ利用できることを確認した。(2) 一方で,水素同位体比に関しては,アミノ基上の交換性水素のコントロールが困難であり,測定法の開発ができなかった。
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