研究課題
プロトン・ラジオグラフィー法を用い,レーザー駆動キャパシター・コイル・ターゲットで生成された磁場計測に成功した.高強度レーザーを金属薄膜に集光照射し,その裏面から放出されるプロトン・ビームをプローブとして用い,プロトンがローレンツ力を受けて曲がった軌跡を計測することで,磁場の強度分布を算出した.プロトン・ラジオグラフィー法と磁気プローブ法を用いて測定した磁場強度を比較し,共に600 T程度の磁場強度を示しており,良い一致が得られていることを確認出来た.成果は,Applied Physcics Letters誌に掲載された.更に,この結果は米国ロチェスター大学のオメガレーザー装置の実験にも導入された.強磁場下での高速電子の輸送を明らかにするために,高速電子が誘電率の異なる境界を通過する際に放射されるCoherent Transition Radiation (CTR) のスペクトルを観測した.外部磁場が無い場合には,CTRのスペクトルは複数のピークを示した.一方,強磁場中では,スペクトルはシングルピークとなり,これは電子ビームバンチの縦方向の周期性が外部磁場によって保持されたことを示唆している.外部磁場が電子ビームの発生と伝播に良い影響を与えることを示す直接的な証拠の一つであり,現在論文化を進めている.強磁場下での流体運動に関しては,プラズマ表面の擾乱が成長するに従って,外部印可された磁場の強度分布が非一様になり,更に擾乱の成長が促進される現象が観測された.磁場の効果を取り込んだ,2次元の放射流体シミュレーションと実験結果を比較し,両者が非常に良い一致を示すことが確認された.この成果も,現在論文化中である.本課題中の成果を一纏めにした論文は,Physics of Plasmas誌に受理され,2016年5月頃に掲載される予定である.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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