| 研究課題/領域番号 |
24685018
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
森崎 泰弘 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (60332730)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | シクロファン / 面不斉 / π共役系分子 / π共役系高分子 |
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| 研究概要 |
本年度は昨年度に光学分割に成功した四置換[2.2]paracyclophane化合物の官能基変換を行い、これをビルディングブロックとして様々な光学活性四置換[2.2]paracyclophane共役系分子の合成に成功した。例えば、π電子系を繋げることで得られる環状化合物は、光学活性な８の字構造を有し、高輝度で発光することを見出した。さらに、円偏光発光特性を調べたところ、高異方性を有する円偏光発光体であることが分かった。低分子化合物良溶媒分散系としては極めて大きな異方性因子を有する本結果は、シクロファンが創る構造的に安定かつ明確な不斉空間が活かされた結果である。加えて、π電子系が十字に重なった光学活性化合物の合成を種々検討し、約１０種類にもおよぶ化合物を得た。特に、ベンゼン環数５枚のフェニレンエチニレンを積層させた光学活性化合物は、光をよく吸収し（モル吸光係数は１０万を超えた）、蛍光発光効率も高く（蛍光領主収率は９０％に達した）、高異方性を有する円偏光発光（異方性因子の値は１０のマイナス２乗に達した）を発現した。
また、本年度は面不斉二置換 [2.2]paracyclophane化合物を用い、フェニレンエチニレンが二枚積層したV字化合物、三枚積層したW字化合物、四枚積層したN字の化合物をそれぞれ合成することに成功した。さらに、三枚が環状に積層した光学活性環状化合物の合成にも成功した。これらのキロプティカル特性を詳細に検討した結果、三枚積層体および四枚積層体は、基底状態ではランダムなコンフォメーションであるが、励起状態では折りたたまれた螺旋構造を有している事が示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
面不斉二置換ならびに四置換[2.2]paracyclophane化合物を構成要素として活用し、様々な光学活性巨大π電子系化合物の合成に成功した。面性不斉化合物が円偏光発光を発現した例はこれまでになく、本申請研究が世界で初めての例であるため。また、円偏光発光を調べることで、化合物の励起状態におけるコンフォメーションに関する情報を詳細に解析することができたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は固体状態において高輝度・高異方性を有する円偏光発光材料の開発を試みる。特に、触媒移動重縮合法を利用し、面不斉シクロファン化合物に重合度のそろったポリアリーレンが置換した高分子を合成する。得られた高分子薄膜のみならず、得られた化合物をキラルドーパントとして用いた薄膜を作成し、その発光特性を詳細に検討する。
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