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2012 年度 実績報告書

一重項分裂を示す有機半導体材料群の創出と有機太陽電池への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24685029
研究種目

若手研究(A)

研究機関山形大学

研究代表者

夫 勇進  山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00350489)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード有機半導体 / 一重項分裂 / 太陽電池
研究概要

有機半導体において、一重項励起子から二つの三重項励起子を生成する「一重項分裂」という現象が知られている。本研究では、高い一重項分裂効率を示す材料群の創出と有機薄膜太陽電池での200%に迫る光電変換効率を目指す。構造を明確に規定できる中・低分子材料を中心に開発を進め、蒸着および塗布型有機薄膜太陽電池に適用する。共鳴構造の寄与により、小さい基底一重項/三重項エネルギー差が期待できる、ビラジカル性化合物を量子化学計算により予測し新材料を設計する。低い励起三重項準位が期待でき、励起一重項分裂性化合物候補となり得るアリールエテン構造を中心に材料開発を進めていく。ピレン誘導体はサブμ秒オーダーの蛍光寿命を有しており、長い励起子拡散長が期待できるため、有機薄膜太陽電池での活性層としても検討する。9,9-ビフルオレニリデンは、隣り合うフルオレン間の立体障害により中心の二重結合がねじれるために部分的にビラジカル性を有していると考えられる。ラジカル性由来のSOMO準位の寄与により、HOMO-SOMO間、LUMO-SOMO間で電子遷移が起こるため吸収波長が長波長化すると考えられる。このような特性は有機薄膜太陽電池での活性層に応用が期待できる。9,9'-ビフルオレニリデンに、CT吸収による長波長領域の吸収を持つヘキシルビチオフェニルベンゾチアジアゾールを導入した(BTTh_2)_2BFを合成し、熱・光電子物性を評価した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共鳴構造の寄与により、小さい基底一重項/三重項エネルギー差が期待できる、ビラジカル性化合物を量子化学計算により予測し新材料を設計した。低い励起三重項準位が期待でき、励起・重項分裂性化合物候補となり得るアリールエテン構造を中心に材料開発を進めた。新しい化合物の合成に成功し、太陽電池素子化、評価も進んでいる。分子設計、合成に関しての知見も得られはじめており、初年度計画通り順調に進展している。

今後の研究の推進方策

継続して一重項分裂候補となる化合物の合成を推し進める。磁場中での光電変換効率の測定システムを構築し、開発材料の一重項分裂特性を評価する。

次年度の研究費の使用計画

研究推進の進捗に合わせ、磁場中での光電変換効率の測定システムの構築が平成25年度になったため、その費用に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Anode buffer layer enhancing efficiency of small molecule-type organic photovoltaic cells2012

    • 著者名/発表者名
      Yong-Jin Pu
    • 学会等名
      2012 MRS Fall Meeting
    • 発表場所
      Hynes Convention Center, ボストン, 米国
    • 年月日
      2012-11-28

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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