研究課題
若手研究(A)
本研究課題では、発光強度を高めると同時にブロード発光を実現するための手法の開拓、Moth-eye構造や多層膜反射鏡技術などの『光制御技術』および『光/電子透過型・貼り合わせ技術』を活用することによって、新しい原理を持った白色LEDの実現を目指している。具体的には、複数のドナー・アクセプタ不純物の添加、格子の異なる原子(Sb、B等)の添加、量子効果・表面(界面)準位・ナノ金属の活用などこれまで報告例のない新しい手法を適用することによって、極めてブロードかつ高効率発光を実現すること、さらには貼り合わせ技術やレーザ剥離技術を活用することによって新しいデバイスプロセス作製技術を構築することが目的となっている。本年は、3年計画の1年目であるため、各要素技術の構築を進めた。格子の異なる不純物の添加においてはアンチモンの添加を検討し、これまでに報告されているものに比べ1ケタ程度高いアンチモンモル分率を持つデバイスを実現可能であることを明らかにした。また、アンチモン添加によって表面平坦性の改善などが可能であることを明らかにした。さらに、GaInN活性層の上にAgやAuなどのナノ粒子を形成し、その内部量子効率がどのようになるかを検討し、特に緑色領域の発光効率の改善が可能であることを明らかにした。さらに光と電子を透過することができるITO電極を用いた貼り合わせ技術、レーザ剥離技術などデバイスプロセス技術を構築進めた。これらの成果は学会発表4件、論文発表47件(招待講演6件)などで公開しており、学術的にも大きな貢献を行ったと思われる。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の予定では、平成24年度は革新的な白色LEDを実現するために必要不可欠な要素技術の確立を目指す予定でした。それらの検討を行ったところ、当初予定していなかった表面平坦性の改善、さらには緑色領域の発光素子〓善などの成果が得られた。また、レーザ剥離技術に関しては紫外LEDへの適用が可能となるなど、他のデバイスも達成した。以上より、(1)の区分が妥当と判断した。
本研究課題では、貼り合わせ技術を活用し、ブロード発光層を活用した革新的な白色LEDの実現を最終的なター〓トとしている。今後必要なこととして、実際にデバイスに適用した時に、どのようなデバイス性能が得られる〓特に組み合わせたときにどのような効果があるのかなど、総合的に評価する必要があると思われ、研究計画を〓ながら最終目標を実現できるように研究を推進していく予定である。
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Physica Status Solidi RRL
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DOI:10.1002/pssr.201307023
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10.1016/j.tsf.2012.02.017