研究課題/領域番号 |
24686006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶原 優介 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (60512332)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プローブ顕微鏡 / テラヘルツ波 / トンネル電流 / STM発光 |
研究概要 |
研究代表者が最近開発した超高感度THz近接場顕微鏡は,常温物質のミクロな熱揺らぎに伴う極微弱THz波(波長: 8~20 μm)を,ナノスケールの超高分解能で検出できる.本研究の目的は,THz波発生のエネルギー源としてトンネル電流を新たに注入することで,物質研究展開へ向けて大きな飛躍を図ることにある.具体的には,THz近接場顕微鏡にSTMと分光機能を付加し,THz波の「発光・検出・分光」を通して物質・生体系の微視的現象に迫る新計測手法を構築する. 平成25年度においては,水晶振動子にPtIr短針を張り付けたプローブを作成して,しあフォース制御を粗動,トンネル電流制御を微動として利用することで高速の探針位置決めを実現し,常温常圧STMの試作機を構築した.本STMを利用して金属や誘電体表面におけるSTM発光検出を試みたが,STM発光と考えられる光がわずかに検出されるものの,再現性の高いデータを得るのが困難な状況が続いている.そこでS/Nを大幅に向上させるため,低温STMの導入など新たな設計を行っている. 一方,検出器の開発に関しては大きな進歩があった.将来的な分光計測へ向けて,異なる幅の量子井戸を準備することで2色(9, 15μm)を検出可能なCSIP検出器を実現し、分光計測へ向けて大きく展望を開いた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標としていた常温常圧STMの開発は予定通り達成したものの,STM発光検出には未だ成功していない.そのため方針を微修正し,S/Nを上げるために現在低温STM内に検出器CSIPを導入する装置を設計中である.しかし異波長検出器のラインナップをそろえる件については,三重量子井戸構造による2色検出を実現し,分校計測実現に向けて大きく進展した.以上から自己評価を②としている.
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今後の研究の推進方策 |
確実にSTM発光検出を行うために,S/Nを上げるのが困難な常温STMではなく,低温STMに検出器を組み込んで発光検出実験を行うことも考慮する.低温STMでTHz発光検出を行ったのちにそのノウハウを常温STMに活かし,最終的に常温のSTM発光にトライする予定である検出器開発については,2色CSIPを実現したので,波長のラインナップを揃えつつ3色以上のCSIPにも挑戦する.
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次年度の研究費の使用計画 |
検出器(CSIP)の多色化の目途が立ち,次年度にウエハを多数設計・購入する予定のため。 多色検出器用ウエハの購入、および検出器評価用の計測器等を購入する。
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