本研究では,STM誘起によるTHz発光計測法の実現を目指した.目的を達成するため,THz近接場顕微鏡に対して,STM機能を付加して常温STMを作製しSTM発光検出にトライした.トンネル電流に起因すると考えられる近接場信号が確認できたものの,その確実な要因まではS/Nが悪いため確認できなかった.S/N向上のため,試料およびSTMを全て極低温環境下に将来的に持っていく必要がある.分光へ向けては,3重量子井戸を持つ2帯域タイプのCSIPを実現し, 1素子で高感度に2波長検出可能な検出器の実現に成功した.本発明は本研究分野における分光測定の実現可能性を大きく推し進める結果となった.
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