本研究では、III族窒化物半導体を用いて次世代中性子検出器の開発を行った。中性子捕獲断面積が大きいGd原子とB原子を利用したGdGaNおよびBGaNを提案し検討を行った。GdGaNに関しては、Gd原料の低い飽和蒸気圧などが原因で高品質な結晶成長の実現には至らなかった。BGaNは有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法を用いた結晶成長技術の開発によって、BNモル分率が約1%のBGaNの作製を実現した。作製したBGaN薄膜を用いて放射線検出特性評価を行い、中性子検出を実現した。また、デバイス作製に向けたIII族窒化物の放射線検出特性評価を実施し、移動度寿命積などのデータを得るに至った。
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