これまで困難とされてきた銅(Cu)を用いたナノらせん要素配列薄膜を実現することを目的として、成膜時の基板冷却が可能な動的斜め蒸着装置を開発した。材料の融点に対する基板温度の比を0.22以下にすることで、Cuナノらせん要素の形成に成功した。要素単体に対する負荷試験により、ナノらせん要素は寸法の効果によって高い降伏応力を有する一方で、その弾性特性は形状因子のみで支配されていることを明らかにした。また、Cuナノらせん要素配列薄膜は、その要素形状に起因して大きな破断許容ひずみを有しており、1×10^6サイクルの繰り返し変形では疲労破壊しないことを明らかにした。
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