研究課題
平成26年度は当初の研究計画に基づき、細胞ファイバをビルディングブロックとすることで、3次元組織の構築、及びその生化学的・組織学的な評価を行った。血管内皮細胞を封入した血管組織の細胞ファイバや神経幹細胞を封入した神経組織の細胞ファイバなど、多様なビルディングブロックを作製し、3次元組織構築を行った。具体的には,細胞ファイバを機械織りする装置を構築し,複数種類の細胞ファイバで布様のヘテロな3次元組織の構築に成功した.また神経幹細胞を封入した細胞ファイバについては、昨年度にバンドル化の技術を確立しており、そのバンドル様組織の組織学的な機能評価を行った。具体的には、48本の神経幹細胞をバンドル化し,フィブリンゲルもしくはキトサンゲルなどでコーティングすることによりバンドル様3次元組織を構築した.その状態でニューロンとグリア細胞への分化誘導を行い、組織免疫染色により評価を行った。その結果、3次元組織化した状態で分化が誘導できることが示された。最後にそのバンドル化した神経幹細胞ファイバを、脊椎損傷モデルマウスに移植を行うことで、本研究手法によって構築された3次元組織の移植医療への応用可能性を検討した。慶應義塾大学医学部との共同研究による実験を実施した結果、移植した神経幹細胞の細胞ファイバのバンドルはマウス体内で生着することが確認された。この結果により、細胞ファイバーを基盤技術とする3次元組織構築法を確立し、その技術が移植医療へと応用可能であることが実験的に示された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
巻: 10 ページ: e0119010
10.1371/journal.pone.0119010
Drug Discovery Today
巻: 20 ページ: 236-246
10.1016/j.drudis.2014.10.018