研究課題
本研究では,モデル生物である線形動物の生体内部の特定の細胞に対して,ナノマニピュレーション技術を応用し,局所的なナノインジェクションシステムを構築する.モデル生物の生体内における単一細胞に対してナノインジェクションし,DNAや標識タンパク,イオンインジケータなどを導入することで,例えば,蛍光共鳴エネルギー移動法(FRET)やカルシウムイオンインジケータによる細胞活性計測やモデル生物の個体差の評価・解析などへ応用し,モデル生物を用いた遺伝子疾患のメカニズムの解明や試薬反応調査などのバイオ・医療技術へ貢献する.これまで構築してきた電子顕微鏡と光学顕微鏡とのハイブリッド顕微鏡下でのナノビーズに基づく,ナノインジェクション技術を線形動物に応用することで,線形動物の特定の細胞に作用する生体物質を導入し,線形動物の活性評価するための手法について検討を進めてきた.これまでの成果に基づき,本年度は,特に以下の項目について重点的に研究を進めた.(1)光学顕微鏡下で,インジェクションの成功率やインジェクション後の線虫の生存率に関して,インジェクションツールやインジェクションビーズのサイズなどの影響について検討した.(2)電子顕微鏡内で使用可能なマイクロCT装置を応用することで,インジェクション位置をその場で評価することが可能であることを示した.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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