研究課題
(1)緩やかなρ-Tをもつ相変化材料を利用し、電流掃引や電圧掃引法により、8、16値の多値記録を実証した。Nを添加したSb2Te3において、緩やかなρ-T特性を得ることに成功した。この特性を十分に生かし、電流掃引により、最初に8値の多値記録を実証した。電流掃引の最大値を細かく制御することにより、16値の多値記録を実証した。(2)高い抵抗率比(アモルファス相/結晶相)で、緩やかなρ-Tをもつ相変化材料を利用し、電流掃引や電圧掃引法により、超多値記録を実証した。Ge1Sb4Te7においても、緩やかなρ-T特性を得ることに成功した。電流掃引により、23値までの多値記録を実証した。Ge1Sb4Te7横型素子において、6値までの繰り返しに成功した。(3)有限要素法による多値記録素子構造の最適化を行った。 材料の物性は素子の動作特性に大いに影響を与えるので、相変化材料と電極材料等の抵抗率、熱伝導率、熱容量を考慮し、素子構造を設計した。相変化メモリの構造には主流の縦型と消費電力の低い横型がある。本研究では、この二種類の素子における熱分布を解析した。解析した結果を基づき、多値記録の高速化を可能にする素子構造を見出した。(4)有限要素法による印加パルスの形状の最適化を行った。 パルスの形状も相変化メモリ動作時の重要なパラメーターである。本研究では、従来の単一パルスの他、階段状パルスと立下りを制御されたパルスも検討した。有限要素法を用いて、パルス印加による結晶相とアモルファス相の比率変化を調べ、多値記録の高速化を可能にするパルスの形状を見出した。また、階段状パルス印加による多値記録を実証した。
2: おおむね順調に進展している
計画の通りに超多値記録を実証した。多値記録の繰り返しも実証した。また、多値記録の高速化も進んできた。
今後としては、計画通りに進めて行こうと思う。
相変化メモリの作製に使う相変化材料のターゲットを購入しようと思ったが、頼んだところで在庫はなかったため、H26年に納品する予定である。また、実験とシミュレーション等はほぼ私が行ったため、謝金を出せなかった。H26年度では、必要なターゲットを複数購入する。また、学生3名が本研究を従事することになったので、謝金を支給する予定である。
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