研究課題
GeTeメモリ素子に2段の階段パルスを印加し、素子の抵抗変化を制御した。第1パルスが20ns,3.5Vで、第2パルスの高さを1Vに固定し、幅を0から300nsを変えた。8抵抗レベルを得ることができた。また、その抵抗変化制御の結果に基づき、パルス幅に依存する結晶温度を調べた。Ge2Sb2Te5の素子よりGeTeの方がnsオーダーで高速で動作することができた。また、パルスによる抵抗変化特性から活性化エネルギーを算出した。GeTeとGe2Sb2Te5の活性化エネルギーはそれぞれ0.65eVと0.71eVである。有限要素法により、抵抗状態を転移させる時の熱散逸による素子間の影響を検討した。隣の素子を動作させる時に熱が伝わってくるので、熱散逸による影響を抑制する方法が重要である。素子を隔離させる絶縁物が入ると、熱の散逸を抑制することが期待できる。また、熱伝導率の異なった材料を比べ、Si3N4よりSiO2の方が熱散逸による影響をよく抑制することが分かった。シングル素子の場合と違って、ウエハ上での素子の初期時の抵抗状態のバラツキ抑制が重要となるため、厳しい監視の下で各プロセスを行った。相変化層を形成する前に、電極をプラズマ―エッチングを行い、コンタクト抵抗のバラツキを抑えることができた。相変化層を形成する時に、基板温度をコントロールすることも大事であることが分かった。また、状態転移させる時に生じた各素子の同抵抗レベルのバラツキを評価した。状態転移させる時に熱拡散による素子間の保存した状態への影響を調べた。
3: やや遅れている
以下のことがあったため、研究が遅れている。1.素子作製用装置が故障した。2.素子の動作特性の評価装置も故障した。
ウエハ上で素子を作製し、デバイス間のバラツキを調べ、抑制方法を更に検討する。
装置が故障したので、研究がやや遅れた。
素子を作製するため、材料、基板と薬品等を購入する。研究成果を雑誌に掲載するための費用が掛かる。また、学会発表のため、旅費等が掛かる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件)
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