本研究開発の最終年である平成28年度は,第5世代セルラネットワーク(5G)の標準化活動が平成27年12月より3GPPリリース14として開始されたため,これまでの成果を5Gに活用する取り組みを行った.標準化活動では国際連携が重要であるため,ドイツのFraunhofer Heinrich Hertz Instituteに本研究開発で構築した⑥基地局連携クラウドRANデモンストレータを持ち込み,日欧共同テストベットを構成することで,基地局連携技術のインターオペラビリティを確認した.また業界団体であるIEEE 5G SummitをFraunhofer Heinrich Hertz Instituteがあるベルリンに招致し,上記日欧共同テストベットを展示することで研究成果のアピールを行った.また本研究開発で研究を進めた60GHz帯を用いたスモールセル基地局に関しては,3GPP参加メンバーを介してStudy Itemの提案を行い,2017年3月開催の3GPP RAN#75において"Study on unlicensed spectrum"という名前で承認され,現在3GPPリリース15において標準化が進められている.以上をまとめると,本研究開発では4年目までに基地局連携セルラネットワークの要素技術(研究項目①②③④⑧)を完了し,また基地局連携クラウドRANの試作および実証実験を行い(研究項目⑤⑥),また国際標準化において他機関と連携してデータ/制御分離技術の標準化を完了させるとともに,60GHz帯の小セル基地局に関する検討項目の立案を行った(研究項目⑦).(※ただし上記①から⑧の番号は研究計画調書の研究計画・方法に記載の項目番号である.)
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