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2012 年度 実績報告書

架構の破壊形式と応力伝達メカニズムを考慮したRC造非構造方立壁の損傷制御設計法

研究課題

研究課題/領域番号 24686063
研究種目

若手研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

日比野 陽  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50456703)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード非構造壁 / 鉄筋コンクリート構造 / 損傷制御 / 方立て壁
研究概要

架構の破壊形式が非構造方立て壁の変形性能に及ぼす影響を調べるための実験を行った。試験体は非構造方立て壁を内蔵する鉄筋コンクリート造架構を3分の1に縮小したモデルとし,柱と梁の主筋の降伏強度および非構造壁の有無をパラメータとする試験体3体を作製した。主筋降伏強度が異なるのは,その違いにより,降伏時のメカニズムが変化すると考えられることから,架構の破壊形式が部材の損傷過程と部材の変形に及ぼす影響を考察するためである。両端の柱の頂部に接続した鉛直載荷用ジャッキにより一定軸力を与えながら,梁高さ位置に設置した水平力載荷用ジャッキの押し引きにより,所定の水平変形まで水平力を与えた。壁長さは1300mm,壁高さは800mm,壁厚さは40mmとし,壁筋はタテヨコD4@100mmですべての試験体で同一とした。
実験結果より,1)方立て壁に生じる変形角は層間変形角と階高および方立て壁の高さとの関係からおおよそ計算することができる。2)既往の耐力評価式によって計算される最大耐力は柱主筋の降伏強度が大きい試験体において過大評価する。3)左右の方立て壁の変形は引張となる側の方立て壁で曲げ変形が卓越し,圧縮側となる方立て壁でせん断変形が卓越する。4)方立て壁の曲げ変形と梁の曲げ変形,架構および柱の曲げ変形との関係から方立て壁の変形に梁の曲げ変形が影響を及ぼしている可能性がある。5) 柱および梁の主筋の降伏強度の違いによる耐力への影響はほとんど見られないことを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の当初に計画した実験を行い,方立て壁の損傷に梁の変形が影響を及ぼしている可能性を示す結果が得られており,概ね妥当な進度で研究が進められている。

今後の研究の推進方策

今後は損傷に影響を及ぼすパラメータとして,方立て壁の形状や梁の剛性,壁筋比などを検討の対象として,引き続き実験により検討を進める。また,実験と並行してFEM解析を実施し,方立て壁内部の応力状態を考察することで,損傷のメカニズムを明らかにする。最終年度には,損傷のメカニズムに基づく方立て壁の損傷制御方法を提案したい。

次年度の研究費の使用計画

実験の試験体の変更により製作にかかる費用が当初の計画よりも少なくなったため。
未使用額は次年度の実験においてその経費に充てることとしたい。

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公開日: 2015-05-28  

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