本研究では、完全非破壊測定手法である中性子ラジオグラフィによる局所水分挙動の解明を軸として、高温作用下におけるコンクリートの熱水分移動・圧力形成・変形メカニズムを解明することを目的とし、一連の実験的研究を実施した。一連の実験的研究により、コンクリートの加熱環境下および爆裂前後における水分状態を捉えることに成功するとともに、定量化手法により得た水分分布から、加熱時における水分溜りの形成および水分溜りの移動現象を捉えることができた。これら成果の分析により、水分ダマリの形成のメカニズムは、加熱により移動した水蒸気が低温領域で再凝集した結果であることを明らかにした。
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