イーシャナプラは6世紀末から7世紀前半にかけてチェンラ王国の首都として栄えた古代都市であり,多数の考古学的痕跡が残されている。本研究ではこの遺跡群において以下の研究を実施した。 1)都城区内における堆積構造の広域調査,2)環濠・溜池におけるオーガリング調査,3)都城区内の主要な埋蔵遺構の調査,4)ローバン・ロミアス寺院内の発掘調査,5)遺跡群全域の航空地形測量,6)プラサート・サンボー寺院の中央テラスの構造調査,7)煉瓦造祠堂の建築学的調査 これらの調査によって,6世紀以前から都城区が活性期を迎えていたこと,またアンコール時代に入ってからも各施設が改変を加えつつ活用されていたことが解明された。
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