本申請課題は、MEMSや燃料電池などの液体の制御・操作が必要不可欠なマイクロフルイディクスデバイスの革新を目指し、感応性階層構造表面上でのポテンシャルエネルギーを駆動力とした省エネルギーな液体操作の実現を試みるものである。植物や昆虫などの生物は、生命活動に必要な水分を獲得するために、最低限の運動エネルギーに加え、表面構造由来のポテンシャルエネルギーで液体を操作している。この生物のもつ特異的な表面構造や液体操作機構に倣った機能表面上でのポテンシャルエネルギー駆動の液体操作に、表面組成や構造制御による刺激応答性を付与し、高度で精密な液体操作の実現を目指す。 本年度は、微細凹凸構造からな流路構造を、3軸操作装置により作製した多孔アレイを鋳型とした転写法により作製し、その流路機能の最適化を試みた。その結果、配列パターンの最適化および、多孔アレイの小型化により、流路機能が大きく向上することが明らかになった。また、前年までに明らかにしているCVDによる表面修飾を施すことで、水のみならず多種の液体に対する流路として機能することを見いだした。
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