| 研究課題/領域番号 |
24686093
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| 研究機関 | 大阪府立大学 |
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研究代表者 |
竹内 雅人 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90382233)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 近赤外分光法 / 触媒表面 / 吸着水 / アンモニア吸着 / 有機物吸着 |
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| 研究実績の概要 |
平成26年度は、各種ゼオライトの細孔内で形成される水、メタノール分子クラスターの化学状態について検討を行った。中赤外領域に観測される、水やアルコールの吸収から、その化学状態の違いを検討するのは難しい。これに対し、近赤外領域に観測される吸収では、分子クラスターの水素結合状態を反映してピーク位置がシフトする。モルデナイト(MOR)とZSM-5(MFI)では、5260cm-1に水素結合の寄与が小さい気相ライクの水が主に観測された。これに対し、β(BEA)とY(FAU)では、5260cm-1の吸収の他に、5200～4800cm-1に水素結合の寄与が大きい水分子クラスターが観測された。MORは一次元細孔、MFIの細孔は三次元であるがシリンダー形状の細孔が連結した構造であり、水分子は主として一次元方向に水素結合していると解釈できた。一方で、BEAとFAUは、いずれも三次元の細孔構造で、かつ、隣り合った細孔内で形成された水分子クラスターは互いに相互作用できるため、十分な水素結合ネットワークが形成されることを明らかにした。これらのゼオライトにメタノールを吸着させると、三次元細孔を有するFAUやBEAでは液体の状態に近いメタノールクラスター、シリンダー形状の細孔を有するMORとMFIでは水素結合の寄与が小さい（気相ライクな）メタノールクラスターが形成されることを明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究で、(i) アルコール中に少量存在する水によって形成される水素結合ネットワーク、(ii) 固体酸触媒の表面に吸着したアンモニア分子、アンモニウムイオン、(iii) ゼオライトの細孔内で形成される水、アルコール分子クラスターについて近赤外吸収測定を行ってきた。いずれのサブテーマについても、従来の中赤外分光法では分析で難しい課題であったが、近赤外分光法の利点を活かして、多くの新しい知見を得ることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初計画（平成24年度～平成26年度）から研究期間を一年間延長し、あらかじめ表面が水和した固体酸触媒について、アンモニア分子、アンモニウムイオンの吸着状態を明らかにする。特に、細孔の形状やサイズの違いによって、水素結合状態の異なる水分子クラスターが形成されることがわかっており、これらがアンモニア吸着におよぼす影響を詳細に検討する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度からの繰越額が約40万円あったことに加え、当初の研究計画を作成した時よりも試薬、近赤外および中赤外測定に要する消耗品（CaF2窓板等）を安く購入できたため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
未使用額20万円のうち、約14万円を近赤外および中赤外測定用の消耗品（赤外測定用ガラスセル、窓板、重水等）の購入費に充て、残りの6万円を国内での学会参加にかかる交通費として使用する予定。
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