研究課題/領域番号 |
24686096
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 太裕 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00344482)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 合成構造 / 複合構造 / カーボンナノチューブ / 応力集中 |
研究概要 |
本研究は、海洋構造物、社会基盤構造物等に広く用いられる既存の構造材料、複合構造の概念を大きく覆す、「剛・柔材料を効果的に組み合わせることにより高靭性・応力集中の低減を容易に実現可能な、ナノテクの知見を応用した新しい発想に基づく構造システム」の研究開発を目的とするものである。初年度である平成24年度に得られた研究成果を以下に列挙する。 (1)剛・柔の簡易な二次元規則積層構造モデルを構築し、定式化を行った。その結果、柔層の存在しない構造に対して剛・柔の規則積層構造は亀裂進展に対する応力集中低減効果があることが解析的に確認された。 (2)他媒体に埋め込んだカーボンナノチューブの機能を解析的に検証した。具体的には他媒体との相互作用による外圧印加時のカーボンナノチューブの力学的性質の変化を、分子動力学モデルおよび連続弾性体モデルを構築し、両モデルに対して座屈変形解析を実施した。その結果外圧印加の状態や多層化などによりいくつかの特異な幾何形状の変化がみられ、それによる導電性変化の可能性が見出された。分子動力学解析においては大変形の解析を正確に行うことができ、連続体モデルでは計算負荷の少ない解析を行えることから、双方の利点を活かした諸特性の検証が可能となった。 (3)高靱性パイプとして期待されるパイプインパイプの曲げ挙動について、断面偏平の観点から検証し、塑性領域での高靱性化に提案する砂粒子コア材の有用性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は新たに新規な構造解析を実施するための研究協力体制を構築することができ、それにより当初の予定を超える内容の解析が可能となった。その他の項目についてもおおむね予定通りの進展をみており、かつ初年度でありながら研究成果に対する査読論文投稿も既に複数なされていることから、上記の自己評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
初年度から順調に研究を進展させているため、当初の計画定通り研究を推進する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究予算の効率化を進めた結果、予算を翌年度以降に繰り越すことができたため、今後特に研究成果発表や発展的な解析技術開発に重点的に繰越予算を充てていく予定である。
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