研究課題
2種類の非線形素子を用いて、ディスパーション干渉計の計測精度の比較を行った。一つは疑似位相整合型のPPMgSLTで、2倍高調波の生成効率が高いのが特長である。真空容器内でのレーザー光の減衰が著しい核融合プラズマの測定には、好ましい素子である。もう一つは、複屈折位相整合型のBiBOであり、温度変化の影響を受けにくいという利点がある。比較的短時間(100秒間)で両者に差は無く、位相揺らぎは±0.4度であった。これは、プラズマ中の光路長を、ITERやヘリカル装置FFHR-d1で想定される8 mと仮定した場合、線平均電子密度分解能2×10^17 m^(-3)に相当する。一方、長時間に亘る計測では両者に差が見られ、1時間の連続計測ではPPMgSLTはゼロ点変動が大きいことが分かった。BiBOでは、概ね半分程度のゼロ点変動に収まり、±2度程度であった。これは、線平均電子密度分解能では1×10^18 m^(-3)となる。想定される電子密度の運転領域は、およそ1×10^20 m^(-3)であるため、ゼロ点変動による計測誤差は、長時間に亘る計測でも1%程度に抑えられることが分かった。PPMgSLTがゼロ点変動が大きい理由は、素子周辺の温度変化が影響を与えていると考えられる。これら3年間に亘るベンチテストの成果を基に、大型核融合プラズマ装置でのディスパーション干渉計の概念設計を行った。テストで使用した比較的出力の大きい(8 W)レーザーを利用することで、真空容器内でのレーザー光の減衰を考慮しても、十分なSN比で計測できることを示した。また、ミラー類を真空容器内に設置しなくてもよく、レーザー光の減衰があまり問題にならない環境では、低出力の小型のレーザーでも測定ができる見通しが得られ、システムを小型化し、利便性を高められることを示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS
巻: 85 ページ: 11D301-1~7
10.1063/1.4886777