近年、エネルギー問題を解決するため、水分解による水素製造が精力的に研究されている。熱化学水素製造法の一つであるIS法は、三つの化学反応を組み合わせて水を分解するプロセスであり、反応速度の向上が課題である。本研究では、IS法の熱反応の一つであるヨウ化水素(HI)分解に高い活性を示す光触媒を探索するとともに、HIの光分解活性を支配する因子の解明を目指した。その結果、Ta系複合酸化物の一つであるKTaO3がHI光分解に高い活性を示し、Pt等の助触媒を担持することでI-の酸化反応が促進され、活性が大きく向上することが明らかとなった。
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