海底下未知微生物は１億年生きるのか？ＮａｎｏＳＩＭＳで探る海底下の生存戦略

2015 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24687004
• 研究機関: 国立研究開発法人海洋研究開発機構
• 研究代表者: 諸野 祐樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, グループリーダー代理 (30421845)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 海底下生命圏 / ＮａｎｏＳＩＭＳ / 安定同位体

研究実績の概要

平成２６年度に二次イオン質量分析計で故障が発生し、修理のために部品を交換したほか、テストを複数回繰り返して実施したことにより、分析が遅れていた。故障個所の特定作業が長期間にわたり、後期の大半で分析不可能な状態に置かれたことから予定していた海底下微生物細胞のＮａｎｏＳＩＭＳ分析が遅れていた。平成２７年度には、その遅れていたＮａｎｏＳＩＭＳ分析を実施した。試料としては南太平洋環流域、および下北半島沖海底下試料を用い、本課題において確立した細胞分離手法を活用して海底下試料に存在する大量の堆積物粒子、すなわち微生物以外の非生物粒子と生物細胞の粗分離を実施した。その後、ＤＮＡ染色剤であるＳＹＢＲ　Ｇｒｅｅｎ Ｉを高濃度で存在させることで得られる非生物粒子と微生物細胞の蛍光色の違いを利用し、ベックマン社製のＭｏｆｌｏ高速セルソーターを用いてＦｌｕｏｒｅｓｃｅｎｃｅ Ａｃｔｉｖａｔｅｄ　Ｃｅｌｌ　Ｓｏｒｔｉｎｇ（ＦＡＣＳ）により微生物細胞のみを試料台上の極小スポット（約１００μｍ程度）に分離・濃縮した。このようにして調製した試料は微生物細胞のみを含むため、高精度なＮａｎｏＳＩＭＳ分析を実施することが可能となり、微生物の代謝活性を検出・定量することが出来た。特に下北半島沖試料については、培養によって活性化した微生物細胞が炭酸、または酢酸を取り込んでいる様子を明確に可視化することに成功し、海底下試料中に存在した微生物の代謝活性を明らかにすることに貢献した。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] カリフォルニア工科大学(米国)
  • 国名: 米国
  • 外国機関名: カリフォルニア工科大学
• [国際共同研究] ドイツ地球科学研究センター （GFZ）/ブレーメン大学(ドイツ)
  • 国名: ドイツ
  • 外国機関名: ドイツ地球科学研究センター （GFZ）/ブレーメン大学
• [国際共同研究] オーフス大学(デンマーク)
  • 国名: デンマーク
  • 外国機関名: オーフス大学
• [雑誌論文] Exploring deep microbial life in coal-bearing sediments down to ~2.5km below the seafloor (2015)
  • 著者名/発表者名: Fumio Inagaki, Kai-Uwe Hinrichs, Yusuke Kubo, Marshall W. Bowles, Verena B. Heuer, Wei-Li Hong,Tatsuhiko Hoshino, Akira Ijiri, Hiroyuki Imachi, Motoo Ito, Masanori Kaneko, Mark A. Lever, Yu-Shih Lin, Barbara A. Methe, Sumito Morita, Yuki Morono, et al.
  • 雑誌名: Science 巻: 349 ページ: 420-424
  • DOI: 10.1126/science.aaa6882
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Variance and potential niche separation of microbial communities in subseafloor sediments off Shimokita Peninsula, Japan (2015)
  • 著者名/発表者名: Takuro Nunoura, Yoshihiro Takaki, Shigeru Shimamura, Jungo Kakuta, Hiromi Kazama, Miho Hirai, Noriaki Masui, Hitoshi Tomaru, Yuki Morono, Hiroyuki Imachi, Fumio Inagaki, Ken Takai
  • 雑誌名: Environmental Microbiology 巻: - ページ: -
  • DOI: 10.1111/1462-2920.13096
  • 査読あり
• [雑誌論文] Ecophysiology of Zetaproteobacteria Associated with Shallow Hydrothermal Iron-Oxyhydroxide Deposits in Nagahama Bay of Satsuma Iwo-Jima, Japan (2015)
  • 著者名/発表者名: HOSHINO TATSUHIKO, Kuratomi Takashi , MORONO YUKI, Hori Tomoyuki, Oiwane Hisashi, Kiyokawa Shoichi, INAGAKI FUMIO
  • 雑誌名: Frontiers in Microbiology 巻: 6 ページ: 1554
  • DOI: 10.3389/fmicb.2015.01554
  • 査読あり
• [雑誌論文] NanoSIMSにより基質の流れを可視化するー未培養微生物のシングルセルレベルでの生理生態解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 諸野 祐樹、伊藤 元雄
  • 雑誌名: 水環境学会誌 巻: 38 ページ: 375-379
  • 謝辞記載あり
• [学会発表] OXIC AND ANOXIC REGIONS OF SUBSEAFLOOR SEDIMENT (2015)
  • 著者名/発表者名: D'Hondt Steven, Pockalny Robert,Spivack Arthur,INAGAKI FUMIO,Murray RICHARD,Adhikari Rishi Ram,Britta Gribsholt,Kallmeyer Jens,McKinley Claire,MORONO YUKI,Roy Hans,Justine Sauvage,Wiebke Ziebis
  • 学会等名: 2015 AGU Fall Meeting
  • 発表場所: Moscone Center (San Francisco, USA)
  • 年月日: 2015-12-17
  • 国際学会
• [学会発表] Size and Carbon Content of Sub-seafloor Microbial Cells (2015)
  • 著者名/発表者名: Stefan Braun, MORONO YUKI,Sten Littmann,Jorgensen Bo Barker,Lomstein Bente Aa.
  • 学会等名: 2015 AGU Fall Meeting
  • 発表場所: Moscone Center (San Francisco, USA)
  • 年月日: 2015-12-17
  • 国際学会
• [学会発表] 海底下生命のセンサス：海底下微生物群集の空間的分布と地球環境との相互作用の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 星野 辰彦, 諸野 祐樹,稲垣 史生
  • 学会等名: 第16回極限環境生物学会
  • 発表場所: 東京海洋大学 品川キャンパス （東京都港区）
  • 年月日: 2015-11-07
• [学会発表] Analysis of biomolecules of sub-seafloor microbial cells separated from the sediment matrix (2015)
  • 著者名/発表者名: Braun Stefan, MORONO YUKI,Kevin Becker,Hinrichs Kai-Uwe,Jorgensen Bo Barker,Lomstein Bente Aa.
  • 学会等名: 3rd International Workshop on Microbial Life under Extreme Energy Limitation
  • 発表場所: Aarhus (Denmark)
  • 年月日: 2015-09-22
  • 国際学会
• [学会発表] Technical developments to explore sedimentary biosphere: current status, limitation, and future perspectives (2015)
  • 著者名/発表者名: MORONO YUKI
  • 学会等名: CDEBI Sediment Workshop
  • 発表場所: University of Southern California （USA)
  • 年月日: 2015-06-25
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 超貧栄養海域のマンガン団塊表面に密集する微生物群集 (2015)
  • 著者名/発表者名: 白石 史人、光延 聖,諸野 祐樹,鈴木 勝彦,稲垣 史生
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合2015年大会
  • 発表場所: 幕張メッセ(千葉県千葉市）
  • 年月日: 2015-05-26
• [学会発表] 掘削コア試料の高品質、長期間保管を可能とする磁場振動型凍結とその評価 (2015)
  • 著者名/発表者名: 諸野 祐樹, 寺田 武志,山本 裕二,肖 楠,廣瀬 丈洋,菅野 正也,大和田 哲男,稲垣 史生
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合2015年大会
  • 発表場所: 幕張メッセ (千葉県千葉市）
  • 年月日: 2015-05-26
• [学会発表] Probing metabolic activity of aerobic microbial cells in ultraoligotrophic sediments of the South Pacific Gyre (2015)
  • 著者名/発表者名: MORONO YUKI, Terada Takeshi,ITO MOTOO,INAGAKI FUMIO
  • 学会等名: Deep Carbon Observatory International Science Meeting
  • 発表場所: Lisbon （Portugal)
  • 年月日: 2015-05-08
  • 国際学会 / 招待講演